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「アルバイトにも賞与を」 正規と非正規の格差に関する裁判の詳細が公表されました (2019年3月15日)
当サイトのトピックスにおいて、本年(2019年)2月18日に、「アルバイトにも賞与を・・・」というタイトルでお伝えしていた裁判の結果について、その詳細が、裁判所のホームページに掲載されました。
この裁判は、正規と非正規の格差に関するもの。
ある大学のアルバイト職員として2013年1月〜2016年3月に時給制で働いていた50歳代の女性について、賞与の性質からみて、それが全く支払われないことは不合理だと判断し、その一部の支払いを大学側に命じたことが話題になりました。​
詳しくは、こちらをご覧ください。
<裁判所ホームページ/大阪高裁(平成31年2月15日/地位確認等請求控訴事件〔正規と非正規の格差関係〕)>
・全文 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/455/088455_hanrei.pdf
・別紙 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/455/088455_option1.pdf
〈補足〉
2020年4月1日施行(中小企業は1年遅れの適用)の改正パートタイム・有期雇用労働法により、非正規社員は、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主に対して説明を求めることができるようになり、事業主には求めに応じて説明をする義務が課されます。
上記判決は、この改正規定の施行前の裁判ですが、すでに注意喚起がなされていると捉えることもできます。
たとえば賞与(ボーナス)の有無について、賞与の性格とその支給の実態が一致していることが求められます。
正規と非正規の待遇差について、その理由をキチンと説明できるように、準備を進めておく必要があります。
雇用保険の助成金詐取の疑いで3人逮捕 (2019年3月4日)
『正社員を非正規雇用と偽り、雇用保険の助成金を労働局などからだまし取ったとして、コンサルティング会社の男ら3人が逮捕された』といった報道がありました。
地検によると、3人は、2014年11月からおよそ4年にわたり、すでに正社員の雇用者を非正規雇用から正社員化したと偽る手口で、「キャリアアップ助成金」を合計およそ1億5500万円だまし取った疑いが持たれています。
残念な話ですが、助成金の不正受給は後を絶ちません。
こういう輩のせいで、真面目に事業運営を行っている多くの事業所がいつも迷惑をこうむってしまうことに、憤りを覚えます!
なお、現在、パブリックコメントによる意見募集が行われている「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案」では、各種の雇用関係の助成金の内容の改正案のほか、「不正受給対策の強化」を図るための改正案も盛り込まれています。ご参考までに。
大型連休への対応について政府が取りまとめ (2019年3月4日)
政府は、皇位継承にともなう10連休に備えて、対処方針(即位日等休日法の施行に伴う大型連休への対応について)を取りまとめました。
即位日等休日法の施行に伴う本年5月の大型連休への対応については、国民生活 に支障が生じないよう、関係省庁等が連携し、政府として万全を期していくことが求められていることから、関係省庁等連絡会議を開催し、現時点の対応状況を取りまとめたものです。
今後も引き続きフォローアップを行うこととしています。
雇用の分野における対応としては、次のような内容が示されています。
●長時間労働の抑制等
・関係団体等に対し業務状況に応じ雇用主の労働者への適切な配慮を期待する旨周知。
・厚労省HP(労基法Q&A)に10連休に関するものを掲載。
●時給・日給労働者の収入減少への対応
・労働者に早めの準備を促すとともに、関係団体等に対し業務状況に応じ雇用主の労働者への適切な配慮を期待する旨周知。
その他、金融システムの稼働(金融機関の対応など)、運送業・小売業等における対応、郵便サービスの対応、保育の確保など、さらには、災害時の対応等、医療(患者の治療等の支障防止)、一般家庭のごみ収集、学校の授業時数の確保などについても、政府の対応の内容が示されています。
10連休が、国民生活に及ぼす影響の大きさがわかります。
協会けんぽ 各支部の平成31年度保険料額表を公表 (2019年2月20日)
協会けんぽ(全国健康保険協会)から、「平成31年度保険料額表(平成31年3月分から)」が公表されました(2019(平成31)2月19日公表)。
先に、「協会けんぽ 平成31年度の保険料率を決定」として、保険料率が変更されることをお伝えしていましたが、今回、その内容を反映した各支部(各都道府県)の平成31年度保険料額表(平成31年3月分から)が公表されました。
所属する支部の保険料額表を確認しておきましょう。
〈補足〉平成31年については、事業主が従業員の保険料を納付する場合の保険料の納付期限が、平成31年3月分については、同年5月7日となります(10連休の影響)。
なお、都道府県単位保険料率(一般保険料率)の内訳である特定保険料率及び基本保険料率についても、平成31年3月分からの率が公表されています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<平成31年度保険料額表(平成31年3月分から)>
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h31/h31ryougakuhyou3gatukara
アルバイトにも賞与を 高裁判決 (2019年2月20日)
「正職員と非正職員の待遇差が、労働契約法で禁じられている「不合理な格差」にあたるか否かが争われた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は、2019(平成31)年2月15日、非正職員にも賞与を支給すべきだとする判断を示した」といった報道がありました。
提訴したのは、ある大学のアルバイト職員として2013年1月〜2016年3月に時給制で働いていた50歳代の女性。
正職員と同様に毎日出勤して教員のスケジュール管理などに従事していたのに、賞与や手当、休暇制度に差があるのは違法だとして、大学に賞与など1200万円を超える額の支払いを求めていました。
大阪高裁の裁判長は、正職員に支給される賞与の金額は、年齢や成績に一切連動していないことから、一定期間働いていたことへの対価の性質があると指摘。
また、月給制の契約職員にも正職員への支給額の8割程度の賞与が支給されている点も踏まえ、賞与が全く支払われないことは不合理だと判断したようです。
さらに、正職員には取得が認められている夏季休暇と病気休暇についても、生活保障の必要性があるなどとして待遇差は不合理と認定しました。
結局、女性の請求を棄却した一審の地裁判決を変更し、正職員の賞与額の約6割となる約70万円の賞与分を含む100万円余りの支払いを大学に命じたとのことです。
「契約社員にも賞与を」という流れは、当たり前のようになっていましたが、今回は、「時給制のアルバイトにも賞与を」ということで、画期的な判決といえるかもしれません。
同様の事例が今後増えるかも・・・動向に注目です。
もちろん、正社員と全く同じ基準での賞与の支払が求められるわけではないですが、賞与の性質上、雇用期間や労働時間に応じた賞与の支払が求められた結果となっています。